Shopify(ショッピファイ)とは?いま注目のECサイト制作プラットフォームを解説

EC市場が拡大を続けるなか、企業が独自に展開するオンラインストアが注目されています。その理由としては、テクノロジーの進化とともにECサイトにも新たな役割や機能が求められるようになり、画一的なモール型ECに物足りなさを感じる企業が増えてきたことが挙げられます。そして、おしゃれで高機能なECサイトを手軽に構築できるサービスが、独自に展開をするECを支えています。なかでもShopify(ショッピファイ)は、世界中で100万件以上のショップで利用されているECサイト制作プラットフォームで、日本でも活用が進んでいます。Shopifyの特徴や注目される理由、そして自社ECサイトが伸びている背景を解説します。
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Shopify(ショッピファイ)とは?
Shopifyは「アマゾンキラー」の異名を持つ、カナダ発のEC事業者向けプラットフォームです。月額US$29からのサブスクリプション形式(※1)でECサイトが開設できるという手軽さで、特に英語圏で、個性的なD2Cブランド(※2)の定番プラットフォームになっています 。
料金の安さに加えて、Webに関する知識があまりなくてもデザイン性の高いECサイトが始められること、そしてD2Cブランドの運営をサポートする追加機能が充実していることが、人気の理由として挙げられます。
※1 サブスクリプション…料金を支払うことで、一定期間、商品やサービスを利用できるビジネスモデルのこと。
※2 D2C…Direct to Consumerの略で、自社で企画・生産した商品を自社ECサイトで直接消費者に販売するビジネスモデルのこと
Shopifyが注目される背景
Shopifyは国内外でシェアの拡大を続けています。その理由として、デザイン的にも機能面でも個性のあるEC事業を展開したいと考える企業が増えてきていることが挙げられます。その背景になっているのが、ECマーケティングの大きな3つの動きです。
D2Cブランドが存在感を増している
D2Cとは、メーカーやブランドが自ら企画・製造した商品を、自社のECサイトを使って直接消費者に販売する仕組みです。問屋や小売業者を介さない、いわゆる直販ですが、スマートフォンやSNSの普及が、作り手のビジョンや思いをダイレクトに伝えること、そして一人ひとりの顧客の声を聞くことを可能にしました。その結果、個性的で消費者の細かいニーズに応えるD2Cブランドが誕生しているのです。これらのD2Cブランドの多くが、統一されたイメージのECモールに出店するよりも、メッセージを伝えやすい独自のECサイトを持つことを選んでいます。Shopifyは、こういったD2Cブランドに人気のあるサービスです。
※図書印刷は、D2Cサイトの制作支援サービスを行っています。詳細は「D2Cスターターパックのご案内」のページをご覧ください。
OMOが導入され始めている
マーケティングにおいて、O2O(※3)やオムニチャネル(※4)は欠かせないものとなりましたが、そこからさらに一歩踏み込んだ概念であるOMOに注目する企業が増えています。
OMOとはOnline Merges with Offlineの略で、「オンラインとオフラインが融合した世界」という意味の言葉です。O2Oやオムニチャネルでは、オンラインの役割とオフラインの役割とを分けて考えていましたが、OMOでは、今や人々は常時オンラインでつながっており、完全なオフラインは存在しないと考えます。
OMOの事例としてよく紹介されるものに、シェアリング自転車やタクシー配車、デリバリーフードビジネス、そして無人スーパーがあります。ここでは、既存のインターネットとリアルな店舗・サービスの役割の境目が変化し、より流動的になっています。
EC事業とOMO
EC事業や小売業でOMOを取り入れている例に、実店舗の顧客データと、ECサイトの顧客データの統合があります。データ統合により、顧客の購入履歴や好みがより詳しく把握でき、マーケティングに生かすことができます。
OMO型の家具店では、店舗でアドバイスを聞きながら家具を選び、スマートフォンで家具に付いているQRコードを読み込むだけで、注文や発送手配を完了できます。また、オンラインショップで気に入った服を何着か店舗に取り寄せておき、店舗で試着をしてから購入できる衣料品店もあります。
このように従来のフレームを超えた柔軟な購買体験を実現させるには、モールも含めた従来のECサイトでは機能が足りません。独自のECサイトが必要になります。
※3 O2O……Online to Offlineの略で、オンラインから実際の店舗へ顧客を誘導する販売促進施策全般のこと
※4 オムニチャネル……インターネットや店舗、イベントなど、あらゆるチャネルで顧客と接点を持ち、一貫性のあるサービスを提供するための販売戦略。
詳しくは下記のコラム・無料eBookをご覧ください。
・基本を知れば意外と簡単!今さら聞けない「O2O」をズバリ解説します
・オムニチャネル戦略とは?クロスチャネルとの違い、成功するポイントを解説
・【無料eBook】オムニチャネルが失敗してしまう3つの落とし穴
マルチチャネル化の必要性が高まっている
チャネルとは商品を消費者まで届ける流通経路のことで、マルチチャネルとはさまざまなチャネルを用意すること(顧客との接点を多く用意すること)を意味します。
コロナ禍では多くの店舗が休業を余儀なくされましたが、これをきっかけに、販売チャネルの多様化や収益源の分散に対する意識が高まりました。そして、実店舗やECサイトに加えて、FacebookやInstagramにEC機能を持たせたり、オウンドメディアにカートボタンを付けたりするといった、販売チャネルを増やす取り組みが増えています。そしてShopifyでは比較的簡単に販売チャネルを増やすことが可能です。
また、アメリカでは、コロナ禍の影響で大手ECモールに注文が集中し、出店企業の商品が何週間も発送されないという事態が起こりました。自社のECサイトを持たず、大手ECモールだけに頼ることのリスクも明らかになったと言えるでしょう。
Shopifyのメリット
ShopifyでECサイトを構築するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?詳しく紹介します。
豊富なデザインテンプレート
有料、無料を合わせると100種類以上のデザインテンプレートが公開されています。このデザインテンプレートは「テーマ」と呼ばれ、デザインのカスタマイズや自作もできます。簡単なカスタマイズであれば、画面上で直感的に行うことが可能です。Shopifyのテーマを利用したおしゃれなECサイトがたくさん作られています。
セキュリティやシステムは自動でアップデートされる
クラウド上で提供されるサービス(SaaS)のため、セキュリティやシステムのアップデートを自社で行う必要がありません。
拡張性が高い
ShopifyにはECサイトを開設するために必要な機能があらかじめ備わっています。さらに2,000以上ある「Shopifyアプリ」と呼ばれる拡張機能を使えば、マーケティング、SNS連携、配送手配、SEO対策、送付状印刷などの機能を追加できます。
マルチチャネル販売ができる
Shopifyで作成したECサイト内だけでなく、さまざまなチャネルで販売するための機能があるのも便利です。例えば、FacebookやInstagramのようなSNSにEC機能を持たせたり、ブログやブランドサイトなどのオウンドメディアにECカートボタンを設置したりすることができます。また、Shopify POSを使えばオンラインで注文して実店舗で商品を受け取ることが可能です。
世界中の言語や決済方法をカバー、越境ECに強い
Shopifyのプラットフォームは20カ国語に対応しています。世界中の決済方法や海外配送手配、さらに各国の税率への対応もしており、越境ECにチャレンジしやすい環境です。弁当箱や雑貨、食品サンプルなど、日本的な商品を扱うECが海外で注目を集めている事例もあります。
Shopifyを利用する際の注意点
メリットの多いShopifyですが、利用の際に気をつけたい点もあります。
ランニングコストがかさむ場合がある
便利だからとアプリ(月額課金)を追加しすぎると、ランニングコストがかさんでしまうことがあります。必要な機能を見定めて選ぶことが大切です。
追加機能には日本語に対応していないものがある
基本的な機能は日本語で問題なくできますが、追加でインストールする機能やサービスのなかには、日本語に対応していないものもあります。
Web制作の専門知識が必要な場合がある
Shopifyは、WebBサイトに関する知識がなくても直感的にデザインができるようになっています。しかし、凝ったデザインにしたいときには、HTMLやCSSといったWeb制作に関するある程度の知識が必要です。
EC事業を始める際の選択肢
EC事業を行うには多くの方法があり、Shopifyはそのなかのひとつです。最後に、基本情報としてECを始める際のさまざまな選択肢を簡単に紹介します。
自社で構築するか、モール型ECに出店するか
オンラインストアを出店するには、自社のECサイトを構築する以外に、モール型ECに出店する方法があります。モール型ECへ出店すればモールの知名度を集客や売上に生かすことができます。しかし、類似商品を扱う出店者が多いと価格競争が厳しくなるうえ、商品ページがモールのデザインに統一されるため、ブランドの個性が出しにくいという欠点があります。
一方、自社のECサイトを構築すれば、デザインや機能を自由に組み合わせることでブランドのオリジナリティーを出すことができます。ただし集客を自力でしなければならず、SEOやリスティング広告などの集客施策を行わなければなりません。
自社のECサイトを構築するには、一定の手間やスキルが必要です。しかし自由であることを生かして個性的で集客できるECサイトができれば、企業の規模にかかわらず大成長するブランドが生まれる可能性があります。
自社でECサイトを構築する3つの方法
ECサイトを自社で構築するには複数の方法があり、デザインや機能の自由度、制作コストが異なります。
フルスクラッチはECサイトをゼロから自社で開発する方法で、時間や費用がかかりますが、デザインやシステムを思いどおりに作ることができます。
ECパッケージは、フルスクラッチほど時間やコストをかけられないけれど、カスタマイズの自由度の高い方法で、大規模なECサイトに向いています。
そして最も手軽でコストをかけずに始められることで注目を集めているのが、ShopifyのようなASP(※4)です。上記の2つに比べてデザインやシステムの自由度は下がります。しかし、最近ではデザインテンプレートや機能追加アプリが充実したASPが登場し、活用の幅が広がっています。
※4 ASPとはApplication Service Providerの略語で、ネットワークを通じてアプリケーションを提供する事業者やサービスのこと。ユーザーは、インターネットでサービス提供者のサーバーにアクセスし、サービスを利用する。
Shopifyなら、時代のニーズに合ったオンラインショップがオープンできる
D2Cブランドの成長やOMOの導入、そして販売チャネルを分散させる必要性などから、新たに自社ECサイトの構築が注目されています。そんななかでも個性的なオンラインショップを手軽に構築できるプラットフォーム、Shopifyのポテンシャルは注目に値します。これからECに取り組もうと考えているなら、ブランドの魅力を最大限に発信してより広い市場に挑戦できる、Shopifyを活用した独自の出店を検討しませんか?
図書印刷では、Shopfyの構築~運用の支援を提供しております。時代のニーズに合ったECの構築に課題をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
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