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WEB広告では効果の可視化と広告回収率にこだわるべき〜小林治郎氏【後編】

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WEB集客

2020.10.15


デジタルマーケティングの賢者たち(5)小林治郎氏【後編】

WEB広告は低予算からはじめられる、効果が計りやすいなどメリットが多いですが、これまでのオフライン広告でのノウハウが通用しにくく、「どの媒体にどんな割合で出稿したらよいのかわからない」「なかなか効果が上がらない」といったお悩みを持つ企業担当者様も多いことと思います。

インタビュー前編では、WEB広告運用で豊富な経験を持つ小林治郎氏にWEB広告のトレンドや成功のためのポイントなどを伺いました。後編の今回は、図書印刷で顧客へのトータルなマーケティング提案を行う木下剛が、小林氏に引き続きWEB広告成功のポイントと、今後のWEB広告のあり方を聞きました。

(全2回の後編です。前編はこちら。)

 

WEB広告を成功させる5つのポイント(前編のつづき)

木下:前編に続けて、WEB広告を成功させるために必要なポイントを伺いたいと思います。

小林氏:それでは残るポイントの4つ目と5つ目をご紹介します。

4)過程と効果をデータ化

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小林治郎氏
株式会社ローカルフォリオ
代表取締役社長

重要なので繰り返しお伝えしますが、まず効果をしっかり測定し、可視化することです。企業の方々は物品を買う際には1円単位でチェックします。しかし不思議なことにWEB広告には何十万円も漠然と使ってしまいがちです。

WEB広告によるリード獲得には一定の勝ちパターンがあります。大ざっぱに言えば、最初はリスティング広告で検索キーワードで自社サイトに誘導してビジット(アクセス)を増やした後、アクセスした人のFacebookやInstagramにディスプレイ広告を表示させてリターゲティング(リマーケティング)の比重を徐々に高め、問い合わせなどアクションにつなげます。

その過程のすべてをデータ化して分析し、最適化を続けることがWEBマーケティングの成功確率を高めます。

5)オフライン広告もROAS(※)を計測

(※Return on Advertising spend=広告回収率)

WEB広告の比重が高まっていることは私も肌で感じます。ただオンライン化が進んでいるとはいえ、まだまだチラシやDMは現役ですし、電話問い合わせも多いものです。そこでオフラインの動きも可視化すべき、ということです。

たとえば月10万円のWEB広告で予約が2件しか入らなかった歯医者さんで、実はオフラインも計測してみたら広告からの電話予約が10件入っていたことがわかりました。効果が2件しかなければペイしませんが、12件あれば途端にROASは跳ね上がります。そうすると今度は広告を倍にしたら予約はどのぐらい増えるのかというオンラインと同様の最適化ができるのです。

木下:分かりやすくご説明いただき、ありがとうございます。

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今後はオンライン・オフラインの融合が進む

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木下剛
図書印刷株式会社
デジタルマーケティング営業部 課長

木下:今後、WEB広告はどういう方向に進んでいくとお考えですか?

小林氏:今より必要とされる不可欠な存在になっていくと思います。そしてオンラインと、チラシやDMといったオフラインの施策を加味した総合的な集客施策が確立されていくと考えています。

木下:WEB広告の画期的な点は広告効果が可視化されたことです。それがオフライン施策でも適用されれば、オンオフを融合できます。

小林氏:まさにそうで、計測すればどの広告がどんなお客様に届いたか、どんな効果をあげたか、どれだけ結果に結びついたのか、ひと目でわかります。その結果を分析して次につなげることもできます。

最適な戦略でターゲティングしていくことを考える

木下:BtoB関連ではいかがですか?

小林氏:人をターゲットにする広告がより進化していくと考えています。この10年でWEB広告はバナー枠を買うという形から、パーソナライズ化された形に進化してきました。ネット上にはたとえばFacebookであれば、○○会社の部長職だということが公開されていることがあります。そして何に興味関心を持っているかがわかる検索履歴はGoogleに残っています。こういった情報は今以上にBtoBでも活用できるはずです。たとえば東京在住の社長様だけに告知をしたい、といったターゲティングが可能です。それを検索キーワードと組み合わせてピンポイントのマーケティングを行うようなことが一般的になっていきそうです。

木下:パーソナライズ化という話と関連しますが、ネット上のプライバシー問題も盛んに報道されています。

小林氏:WEB上の行動はクッキーというファイルに保存されていますが、そのクッキーを遮断したり、許可制にしたりといった動きが出てきています。最近ではiPhoneの新しいOSで広告トラッキングを許可制にするかどうかでアップルとFacebookなどの広告主が対立し、結局許可制にするのを1年延期したという話がありました。これは業界にとって本当に大きな問題です。

木下:どういう対応をされる予定でしょうか?

小林氏:新の情報に注目していますが、クッキーが制限される方向に進むことは決定的だと思います。ただ、ご本人が公開している情報は活用できますし、エリアを絞る手法であったりと、さまざまなターゲティング手法があります。もちろんクッキーを使えるほうができることは広がりますが、許されている範囲で最適な戦略を立てていくと、もうそれに尽きますね。

木下お話ありがとうございました。 

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図書印刷とローカルフォリオで総合的にお客様を支援

図書印刷とローカルフォリオは、お客様に寄り添ってサポートする点が共通しておりパートナーシップを結んでおります。ローカルフォリオでは、AIとオンライン広告の専門家によるポートフォリオ運用とそのご報告という形で支援しています。図書印刷では、WEBマーケティング全体の提案や、WEB広告の流入に適したサイト改善の提案、WEB広告運用によって獲得できた新規顧客の育成、CRM部分の運用などを包括的支援しております。お客様が顧客をいかに獲得するのか、いかにロイヤリティを上げていくのかという課題を一緒に解決してまいります。 

プロフィール
小林 治郎(こばやし じろう)氏
株式会社ローカルフォリオ 代表取締役社長

青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系銀行、アグリ・バイオベンチャー起業を経験後、一橋大学院国際企業戦略研究科でMBAを取得。外資系コンサルティング会社を経て、デル株式会社(現/デル・テクノロジーズ株式会社)でオンラインマーケティングマネージャー、執行役員、コンシューマ・スモールアンドミディアムビジネス営業本部統括本部長などを歴任し、広告主の立場でオンライン・オフライン両方の広告運用を統括する。 2014年、WEB広告の将来性を確信してリーチローカル・ジャパンサービシーズ合同会社の代表職務執行役社長に就任、2018年に同社が株式会社ローカルフォリオへと組織再編する際、代表取締役社長に就任。休日はゴルフや愛犬との散歩を楽しむという。

木下 剛(きのした つよし)
図書印刷株式会社 デジタルマーケティング営業部 課長

2007年~2013年に放送と通信のクロスメディア事業を展開するグループ会社にて、デジタルコンテンツの新規事業開発を担当。スマートフォン向けのアプリ企画やPRを目的としたラジオ番組のプロデュースを担当し、新たなビジネスモデルの開発に貢献。2014年~2019年は大手通販会社のECチャネルの責任者として運用体制の構築、システム導入、マーケティング施策の計画から実行までを担当し売上アップに貢献。現在は図書印刷株式会社にてデジタルマーケティング部門の立ち上げに従事。

 

図書印刷のデジタルマーケティング支援サービス

図書印刷では、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。

図書印刷が描くDX時代のマーケティング透視図のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。

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