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ECは「ネットのおもてなし」が大事。実店舗のような気づかいが人を集める~川連一豊氏【前編】

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EC

2020.04.02


デジタルマーケティングの賢者たち(2)川連一豊氏【前編】

EC(電子商取引)への展開の必要性を感じる企業のご担当者様は多いのではないでしょうか。売上がなかなか上がらないと悩む出店者の声も多く聞きます。

経営者やマーケターに向けたスペシャルインタビュー「デジタルマーケティングの賢者たち」では、お客様のマーケティング課題や事業課題に対して、図書印刷が毎回さまざまなスペシャリストの方々から、ビジネスの成功に向けた金言を引き出しています。


今回は、ECの実行段階におけるプロジェクトマネジメントを行ってきた図書印刷の鈴木暁雄が、「ネットのおもてなし」の第一人者として知られる川連一豊氏にインタビューを実施。ECサイト成功の秘けつである「ネットのおもてなし」の内容と、初心者が戸惑うECの課題について、解説していただきました。(全2回の前編。後編に続きます。)

 

「ネットのおもてなし」とは? にぎわうECは実店舗のような気づかいがある

鈴木成功するECには、どのような特徴があるのでしょうか。

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川連一豊氏
フォースター株式会社 代表取締役社長
ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)代表理事

川連氏:マーケティング全体を評価すると、集客の工夫、商品の表示だけでなく使い方のフォロー、そして購入後のケアまで、お客様を徹底的に「おもてなし」していることが大きな特徴です。お客様の育て方からリピーターにしていくところまで、本当によく考えて運営しているサイトが成功しています。

鈴木:「ネットでのおもてなし」とは、どのようにすればよいのでしょうか。具体的に教えてください。

川連氏:ECには商品の写真とスペックを載せただけで、人がいる気配を感じられないサイトがよくあります。リアル店舗では商品を並べて販売しているので、同じようにすれば売れるだろうと考えているのでしょうが、それでは売れません。リアル店舗では店員がいて説明できるため、商品が売れるのです。ECでも同様の取り組みを実施する必要があります。

サイト上に商品スペックを書いただけではまず読まれませんし、どうやって説明を受けられるかもわかりません。サイトの後ろに人がちゃんといることが重要で、メールで問い合わせがあれば直ちに返信し、コメントがあれば素早く返す必要があります。メールの返信も今はチャットボットもあるので、10分過ぎたらアウトだと考えてください。

 

お客様が商品を受け取る瞬間が「おもてなし」の勝負

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鈴木暁雄
図書印刷株式会社
デジタルマーケティング営業部

鈴木:お客様がECサイトで「おもてなし」を感じるのは、ほかにどんなところでしょうか。

川連氏:ECサイトにとって、お客様が商品を受け取るときが最大の瞬間です。バーチャルからリアルになる転換点なので、お客様の気持ちは一番盛り上がっているはずですね。その時、見栄えの悪い梱包だったり、段ボール箱が汚れていたりしたら、どのように感じるでしょうか。だからこそ、ある意味で商品が届くときが雌雄を決するタイミングになります。

逆に、例えば注文した商品とは別に何か入っていたらどんな風に感じるでしょうか。北海道のゆめぴりか専門店である米のさくら屋は箱を開けると、手書きのコメントやじゃがいもが入っていたりします。それが、「ネットのおもてなし」で、人と人との関係をリアルに作ることで、売上を伸ばしています。こうしたちょっとしたサプライズがあると、お客様はファンになって、永くつながっていきます

 

サイトの成功事例「和気文具」

鈴木:具体的に成功しているECサイトがあれば、ご紹介ください。

川連氏:今、大きな注目を集めているのは、大阪の和気文具ですね。元々は街の小さな文房具屋さんでした。2001年に、担当者一人でインターネット通販部門を始めて、現在はInstagramで14万のフォロワー(2020年3月現在)を持つまでに成長しています。その中で、ヒットしているのが手帳です。可愛いマークを付けるなど手帳の使い方を動画で載せて、大変な人気になりました。

開設当初から、おしゃれで使いやすいサイトだったのですが、一度検索エンジンの検索結果で上位が取れなくなってしまったことがありました。それにめげずに一からやり直し、この数年はInstagramを中心に商品を紹介して、売上を大きく伸ばしています

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図書印刷のデジタルマーケティング支援サービス

図書印刷は、お客様の「ネットのおもてなし」を実現するためのデジタルマーケティング支援サービスを提供しております。ECサイトの構築・改善だけでなく、オフライン接点のCX(カスタマーエクスペリエンス)向上や、SNS運用による顧客のファン化も支援いたします。

深堀したい・気になるキーワードががございましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。

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プロフィール
川連一豊氏
フォースター株式会社 代表取締役社長 ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA) 代表理事

静岡県生まれ。愛知大学法律経済学部卒業。1999年インターネット通販の世界に入り、2000年楽天市場に出店。売上を倍々で伸ばし、インターネット通販業界で大きな注目を浴びる。2003年に楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞。2004年7月に独立し、システム開発とECコンサルティングを行う有限会社SAVAWAYを設立、2013年に1300億円のシステム流通額を達成。2014年3月にフォースターを設立、現在EC関連のシステム開発とコンサルティング、運用業務を行っている。また、EC業界発展のための情報提供を行う一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)の代表理事も務めている。

鈴木暁雄
図書印刷株式会社デジタルマーケティング営業部

2012年図書印刷入社。商業印刷物全般、スペースメディア、キャンペーン、WEBマーケティングに従事した後、関連企業のデジタルマーケティング部署に出向。大手製菓メーカー、トイレタリーメーカを担当。2019年4月より図書印刷のデジタルマーケティング営業部に所属。アカウントマネージャーとして、顧客の課題解決施策を企画・立案。また、プロジェクトマネージャーとして、社内外のメンバーを統率し数々のプロジェクトを推進中。

図書印刷では、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。

図書印刷が描くDX時代のマーケティング透視図のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。

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