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個人情報保護の流れで「ソーシャルログインによるID活用」がECサイトの成長を加速させる〜喜多宏介氏・岡田風早氏【前編】

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EC

2020.11.30


デジタルマーケティングの賢者たち(7)喜多宏介氏・岡田風早氏【前編】

個人情報保護の流れで、外部のサードパーティデータを活用した広告などが大きく制限されてきている中、ユーザーとIDで繋がる「ソーシャルログイン」が注目を集めています。特に利用者の多いLINEを活用したLINEログインECサイトの売上アップに効果が大きいとして好評です。

経営者やマーケターに向けたスペシャルインタビュー「デジタルマーケティングの賢者たち」では、お客様のマーケティング課題や事業課題に対して、図書印刷が毎回さまざまなスペシャリストの方々から、ビジネスの成功に向けた金言を引き出しています。

今回登場するのは、ソーシャルログインを日本に広めた株式会社フィードフォースの喜多宏介(きたこうすけ)氏、岡田風早(おかだかざはや)氏です。聞き手は図書印刷 デジタルマーケティング営業部の鈴木暁雄(すずきあきお)が務め、ソーシャルログインの重要性や売上アップに効果の大きいLINEログインのメリットについて伺いました。ECサイトの運営ご担当者様や、BtoB企業様でDtoC(Direct to Consumer、自社製品の直接販売)領域への進出を検討されている方にぜひお読みいただきたいインタビューです。

(今回は全2回の前編です。後編に続きます。)

 

個人情報保護対策に効くソーシャルログインによるID活用

鈴木:コロナ禍で、営業活動もオンラインが主流になってきていますが、貴社内ではどのような変化がありましたでしょうか?

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喜多宏介氏
株式会社フィードフォース
取締役 事業統括本部長

喜多氏:ほんの数カ月で劇的に変化しました。オンライン営業は天候にも左右されず、非常に楽です。移動時間が不要な分、営業の件数を増やすことができますし、もう元には戻れないのではないでしょうか。

鈴木:外部の環境としては、EC(ネット通販)を手掛け始める企業様もずいぶん増えてきたように感じているのですが、いかがでしょうか?

喜多氏:ただでさえ、百貨店など店舗での営業成績が伸び悩むなか、このコロナ禍です。「今までのように店に卸していただけでは、売上が伸びない」と考える企業の方も多いでしょう。

実店舗に誘導する広告費を削減して新しくECを始めようという企業や、もっとECでの販売に力を入れていこうという企業も増えてきています。かつては、Yahoo!ショッピングや楽天市場のような、モールに出店や出品をするような形が主流でしたが、ここにきて「DtoC」の形で、自社サイトから直接販売しようという企業が増えてきたのも特徴的です。

鈴木:一方、自社サイトで収益を上げようと考えると、訪問者を増やすために顧客ターゲット層に情報を届ける高精度なターゲティングが欠かせませんが、最近ではそのための個人情報を活用しにくくなってきていることも印象的です。

喜多氏:個人情報保護の観点から、今後はサードパーティデータ(間接的に得られた顧客データ)の利用が大きく制限されていきます。既にFacebookの個人情報などは利用範囲が狭くなっています。

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岡田風早氏
株式会社フィードフォース
執行役員 コーポレート本部長 兼 広報・Bizdev チームマネージャー

鈴木:どのような点が問題視されているのでしょうか?

岡田氏:ユーザーへのメリットを明示しないまま本来不要であろうデータまで取得をして、広告やサイト内接客時のアプローチ精度を上げようとしていたところが一番の問題だと思います。それがプライバシー保護の流れで問題視されていて、今後さらに厳しくなっていくことは確実です。

鈴木:そのような流れがある中で、今後企業はどのような対応を取っていけばよろしいと思われますか?

喜多氏:きちんとユーザーの許可を取って、お客様から直接いただくデータ、「ファーストパーティデータ」の取得機会を増やしていく必要があります。その手段のひとつとして弊社が提供しているのが、「ソーシャルログイン」です。

岡田氏:そもそもECサイトなどで会員登録の際、一から全てのデータを入力するのは非常に面倒でした。そこで登場したのがソーシャルログインです。普段から利用しているLINE、Yahoo! JAPAN、Google、Facebook、Twitterなどのアカウントを使って、WEBサイトやサービスにログインできる機能です。

会員登録までの距離を最短にし、利用目的を明示して許可をいただくことが可能になります。会員登録をしていただくとサイト内の行動など個人情報よりも活用しやすいデータがIDに紐づく形で取得できます

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SaaSで手軽にソーシャルログインの実装が可能に

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鈴木暁雄
図書印刷株式会社
デジタルマーケティング営業部 主任

鈴木:ソーシャルログイン経由での会員登録の割合は、現在はどの程度になっているのでしょうか?

岡田氏:スマートフォンですと会員登録数の4~5割パソコンでは3〜4割はソーシャルログイン経由ですね。

鈴木:私も新しいサービスを利用する際にはSNSアカウントでの認証を活用しているのですが、世の中的にもかなり普及してきているのですね。貴社のサービスとしては、どのようなラインナップがございますでしょうか?

岡田氏:弊社では「ソーシャルPLUS」というSaaS(Software as a Service/クラウド上のソフトウェアを利用できるサービス)を提供しています。初期費用と月額利用料も5万円からとローコストで、導入までの期間も1〜2カ月、プラットフォーム側が仕様変更してもメンテナンスをする必要がありません。

喜多氏:ソーシャルログインという言葉が日本で知られていない頃から開発を始め、国内でSaaSのサービスを提供してるのは弊社のみになります。自社開発で導入することもできますが、導入期間やコスト、メンテナンス負担は増えます。

鈴木:さまざまなプラットフォームのアカウントを活用してのソーシャルログインがありますが、利用されているプラットフォームとしては、どれが多いでしょうか?

岡田氏:弊社の調査ではLINEが1位で、2位がYahoo! Japanです。若者を中心に全年代でLINEの利用者が多いことから、特にLINEログインが多くなっています。導入企業にもメリットが大きいので弊社でも強くお勧めしています。

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※フィードフォース調べ
出典先:https://socialplus.jp/report/2020

鈴木:LINE以外の特長はどうでしょうか?

岡田氏Yahoo! Japanはパソコン世代の利用が多く、スマホ世代よりも年齢層が高い傾向がありますが、Yahoo!ショッピングやヤフオク!があって正確な住所などの情報が得られるという特長があります。Facebookも少し年齢層が高い傾向があります。GoogleはGmailとAndroidユーザーが多い点がメリットです。

 

LINEログインはLINEメッセージ経由で購買に結び付けやすい

鈴木:利用割合が最も多いのが、LINEとのことですが、企業にとってLINEログインのメリットはどのような点でしょうか?

岡田氏:これまでは、ソーシャルログインは利便性向上のイメージが強く会員登録数の向上にはわかりやすく貢献できていましたが、売上に対しては購入や予約などのコンバージョンにより近い広告やメルマガの貢献となりがちでした。

ところがLINEログインを使って会員登録したユーザーに対しては、企業はLINEでメッセージを送ることができます。ちょうどスマホシフトが進み、メルマガが見てもらえない状況の中で、みんなが使っているLINEでメッセージが送れ、しかもすぐ見てもらえる特長があります。

喜多氏:LINEはUXが優れているため、メッセージを受け取ってからECサイトでの購入に面倒な手続きがいらず、すぐ「買おう」となりやすいのです。実際、LINE経由での売上が増えている事例がたくさん出てきていて、LINEログインのニーズはさらに広がっています。

鈴木:ありがとうございます。

後編では、より具体的なLINEログインを活用して売上を伸ばす方法や、実際に売上をアップさせた企業の具体例、DtoCでのソーシャルログインの活用をご紹介します。

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プロフィール
喜多 宏介(きた こうすけ)氏
株式会社フィードフォース 取締役 事業統括本部長

2002年株式会社日本システムディベロップメント(現株式会社NSD)でSE職を経験後、2005年大和証券株式会社に営業職として入社。 2006年フィードフォース創業当時から企画営業に従事し、2012年6月取締役に就任。2019年7月に東証マザーズに上場させ、現在は事業戦略や新規事業開発を行う。企業のマーケティング支援を行うグループ会社、株式会社アンノウンの取締役も務める。

岡田 風早(おかだ かざはや)氏
株式会社フィードフォース コーポレート本部長 兼広報・Bizdev チームマネージャー

ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のカスタマーサクセスチームの立ち上げで2015年フィードフォースに入社。その後「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを経て現在の役職に至る。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。

鈴木 暁雄(すずき あきお)
図書印刷株式会社 デジタルマーケティング営業部 主任

2012年図書印刷入社。商業印刷物全般、スペースメディア、キャンペーン、WEBマーケティングに従事した後、関連企業のデジタルマーケティング部署に出向。大手製菓メーカー、トイレタリーメーカーを担当。2019年4月より図書印刷のデジタルマーケティング営業部に所属。アカウントマネージャーとして、顧客の課題解決施策を企画・立案。また、プロジェクトマネージャーとして、社内外のメンバーを統率し数々のプロジェクトを推進中。

 

図書印刷のデジタルマーケティング支援サービス

図書印刷では、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。

図書印刷が描くDX時代のマーケティング透視図のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。

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